2022年08月30日

爆速給湯チャレンジ - その9 - 165秒機登場 - #Sub150 #FastBoilChallenge

このプロジェクトで使った試験機(アルコールストーブ)をヤフオク出品中です。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/tetk

3分切りを達成した Vol.8 機をそのままスケールアップしようとした試験機です。
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5mmΦパイプを10本、通気用孔も10個にしています。

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燃焼はなかなか勢いよく、たまにジェットが千切れ目になるくらい。(ただし点火後1分を越えたあたりからボヤっとした燃焼に陥ってしまいます・・・記事の最後の方で原因を探ります)

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結果は 2 分 45 秒(165秒)
前回より平均で5秒短縮となりましたが、短縮率がかなり悪いと思います。

これもパイプの詰め込みすぎに起因する現象のよう・・・。
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バスタブ内が沸点に達すると現れる現象です。端的に言うと「チムニー効果が薄れている」。通気口付近を観察すると、炎が内側へ引っ張られていません。穴の周りでボヤッと燃えている感じです。パイプ間が密で、空気の通過抵抗が大きくなって、上方へのエアの"抜け"が悪くなっていると考えられます。チムニー効果を加速するために"延長煙突"をかぶせてみると、通気口のぼやっとした炎がしっかり内側へ引っ張られます。同時に火力も凄いことに。

このあたりが難しいところですね。単純にパイプ数を増やすと別の問題が出てくる。通気口を増やしても、出口へしっかり誘導できなければ効果が発揮されない。パイプ数を減らして、チムニー効果を常に確保して、各ジェット速度を千切れるまで上げてやる・・・というのが sub150 への解かもしれません。

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2022年08月28日

爆速給湯チャレンジ - その8 - sub180秒機登場 - #Sub150 #FastBoilChallenge

このプロジェクトで使った試験機(アルコールストーブ)をヤフオク出品中です。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/tetk

Vol.5/6/7では、パイプの詰め込み過ぎによる各パイプへの加熱不足が見られました。これが課題と言っていたものの正体です。2重に配置したVol.5/6では特に外側のパイプからのジェットが弱く、あまり仕事してない印象すらありました。Vol.7は13本のパイプを横並びに配したので、パイプ間の差はありません。しかしパイプのポテンシャルを引き出しているとは言えないものでした。

このVol.8ではパイプ数を減らしました。減らした分はパイプ径を4mmから5mmに太くして気化量を確保しようという発想です。そしてパイプの外周側へもしっかり加熱できるよう中央寄りに集め、さらに外壁にチムニー型のような通気口を穿ちました。

5mmΦパイプ X 8 本、0.7mm ジェット X 2 / パイプの合計 16 ジェットです。
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効果はテキメンで、トルネードもかなり高く上がります。
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複数回の計測で、2分40秒〜50秒に入ってます。いよいよ 2分台、sub180 突入です。
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結果は 2 分 50 秒(170秒)
トルネードでsub180達成です。


さて、ここで重要なことを発表します。
ジェット炎の火力を通気制御で調整できる

パイプジェットとチムニー型似の筐体を組み合わせると、通気孔の開け閉めで火力を調整できるのです。これは新発見ですよ。すでにプロジェクトと並行して試作機を作っていますが、昔チムニージェットで火力調整に挑んだ時よりずっと広い調整幅が実現できています。

ジェット孔を塞いで火力調整なんて言ってるのはつまらないでしょ? トルネードはトルネードのまま強弱できた方がずっとずっと面白いでしょ? ・・・と、大風呂敷を広げる・・・(笑) 自分へのプレッシャーでもあります。



とりあえず本テスト機は、ジェット可変式の空き缶アルコールストーブが製作可能なことを実証した記念碑的なモデルです。

爆速給湯チャレンジなんていうバカな企画もやってみるもんですねー。このチャレンジのお陰で発見できた♫ 
「チムニー型(あるいは低加圧サイドバーナー)アルコールストーブのような通気口を持つ筐体とパイプジェットの組み合わせでジェット炎の火力を調整する」
っていうのが私の発見とアイディアです。習作はいくらでもどうぞ。でもフィードバックをお願いしますね。楽しいストーブを作っていきましょう。
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2022年08月22日

爆速給湯チャレンジ - その7 - 180秒機登場 - #Sub150 #FastBoilChallenge

このプロジェクトで使った試験機(アルコールストーブ)をヤフオク出品中です。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/tetk

Vol.5/6でパイプを14本も詰め込むという暴挙(笑)に出ました。ジェット数を増やせば強くなるだろうという単純な発想です。実はもう1台同じパイプ配列でジェット向きを変えた物もあるんですが、給湯試験をやりませんでした。試点火を一見しただけで性能悪そうだったんですよ。

まあVol.5ができた瞬間に、パイプの詰め込みによる弊害が判明してしまったこともあるんですけどね。配列のせいで全パイプへ均等に熱が伝わらんのですよ。

そこでVol.5/6は2重だった配列を完全パラレルにしたストーブを製作。ルックス完全無視なんて吠えてたけど、やっぱり渦が好きってわけでトルネードだけは実現しようと主旨変え致しました。パイプを14本ブッ込むつもりで作業したんですけど、13本しか入らなかった(笑) というわけで 13 パイプ 26 ジェットです。
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26ジェットともなると流石に高くまで火が登ります。
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何度か計測しましたが、175〜180秒に収まっています。sub180と言っていいかな。(撮影は一回で、上から撮った動画ファイルが壊れてました。証拠は音で許してくださいませ。)
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結果は 3 分 00 秒(180秒)
トルネードなのに 180 秒。やったね。

このプロジェクトを始めた時、3分切りはそれほど難しいハードルではないだろうと思っていました。既存技術の延長線上で十分可能だと。見てくれは置いといて、まあ達成できてホッとしました。

アルコールストーブで火力追求していくと、3分が大きな壁になると感じています。もちろんストーブ径を広げれば容易になるでしょうけど、あくまで飲料太缶ベースに拘ってますから、ここから先は何かブレークスルーが必要ですね。
まあ何の目論見もなくこんな事は書きませんから、今後も期待していてくださいな。








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2022年08月18日

爆速給湯チャレンジ - その6 - #Sub150 #FastBoilChallenge

Vol.5では14パイプ14ジェットを、一本のトルネードへ炎を集束しました。見た目が派手で格好良さげな炎になったと思います。ただし実火力性能は別で、2010年のパイプ/ウィックジェットの試験では、一本へ収束させるより複数の火柱にした方が強くなる結果を得ていました。

そこでVol.5と14パイプ14ジェットなところは変えず、炎を4本へ分割して試験します。
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実際の炎の様子はこんな感じ。
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パイプの配列が気持ち悪いだけでなく、炎の形も楽しさとは無縁になってしまった・・・。

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結果は 3 分 15 秒(195秒)
トルネード版より 15 秒短縮できました。ベンチマークのeFREVO 7ジェット版から 1 分以上速くなっています。200秒切り達成、そしてsub180まであと15秒です。

でも何だかなあ・・・。はじめに「炎の美しさもこの際無視」なんて息巻いてたけど、やっぱり見て楽しい炎が良いよねえ。両立できたら凄いよなあ。分割炎柱は最後の奥の手に取っておいて、しばらくはトルネードに拘っていくかなあ。



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2022年08月13日

爆速給湯チャレンジ - その5 - #Sub150 #FastBoilChallenge

前回の Vlo.4 では 7 本のパイプにそれぞれ 2 個づつのジェット孔を開けて、計 14 ジェットで 4 分切りまで行きました。

単位時間あたりのアルコール消費量を増やせば火力が上がる・・・と基本的には考えています。では限られたサイズの中でどう増やしていくか?・・・が一つの課題です。そこでパイプ数を 14 本まで増やす配列を考えて実装してみました。
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パイプ数倍増の効果を確かめるために、まずは各パイプ 1 ジェットで試験します。
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見た目の炎はなかなか勇ましくてカッコ良い。

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結果は 3 分 30 秒(210秒)
シングル版より 20 秒、ベンチマークのeFREVO 7ジェット版から 50秒 の短縮となりました。3分切りの姿を確実に視界に捉えた感じですね。しかしパイプ倍増の割には短縮率が小さいのも事実。その理由・原因は判っているつもりですが、そこはまだあえて手を付けずに次の実験に移ります。



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2022年08月05日

爆速給湯チャレンジ - その4 - #Sub150 #FastBoilChallenge

高性能でラグジュアリーなアルコールストーブをヤフオク出品中です。

前回の 7 パイプで 1jet / パイプー計 7 ジェット版を、ツインジェットにしてジェット数を倍化しました。2 ジェット / パイプー14ジェット版のアルコールストーブでトライです。

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一本一本のジェットの勢いが、シングル版より劣る感じがする。気化量と内圧の関係がここでもありますねえ。

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このストーブも 8 cm 高五徳の方が良い成績でした。

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結果は 3 分 50 秒(230秒)
ようやく 4 分切り。シングル版より 25 秒、ベンチマークのeFREVO 7ジェット版から 30秒 の短縮となりました。まだ距離はあるものの、3分切りが小さく見えてきた感じがします。





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2022年07月30日

爆速給湯チャレンジ - その3 - #Sub150 #FastBoilChallenge

eFREVO 14 ジェットは結果的に失敗でしたが、気化量のヒントを得ました。eFREVOで気化量増を図っても、それはファインチューニング/最適化の範疇を出ず、抜本的な解決策にはならないと思います。

そこでパイプの数だけ気化量も増やせていけるパイプジェット・アルコールストーブに活路を見出そうとしています。まずはeFREVOのときと同じジェット数で様子を見ます。太缶サイズだと7パイプがちょうどハマる感じですね。斜めに開けたジェット径は0.8mmで製作しています。
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そういえば個人の方や南半球のブランドが、パイプ配置をまんま真似て売ってますねえ。パイプの配置なんてとっても自由度が高いものだから、せめてそこくらいはオリジナリティを出せよって思いますよ。

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私の作り方だとジェットが長く(強く)なるので、CHSの時より高い8cm五徳のほうが良い成績になりました。

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結果は 4 分 15 秒(255秒)
ベンチマークのeFREVO 7ジェット版の5秒落ち。本燃焼までの起動時間の差が出ていますね。それとeFREVOは0.7mmジェットでしたから、0.1mm太い(その分噴出量が多いハズ)こっちの方が効率的には少し悪いようです。やっぱり CHS ってかなりバランスに優れていますね。




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2022年07月23日

爆速給湯チャレンジ - その2 - #Sub150 #FastBoilChallenge

特に最適化せずいつも通りに作った 7 ジェットの easyFREVO アルコールストーブが、まあまあの成績を残しました。これに気を良くしてジェット数を倍加して火力アップを図ろうと 14 ジェットでトライ。

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15 クリース 14 ジェット

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試運転のときから「ん?」って感じてたんだけど・・・

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結果はまさかの悪化4 分 50 秒(290秒)
ベンチマークの7ジェット版から30秒も遅くなってしまった。

データや観察から「気化量がジェット数に対して不足している」と考えられる。

孔数が増えたことにより、フープ内圧が上がらずそのままジェット出口へ向かってしまっている様子だ。余剰気化ガスが液溜まりにブローバックする現象も見られない。7ジェットに比べて一本一本のジェット炎が短い ー つまりジェット速度が低く、単位時間あたりの燃料消費量が少ないようだ。

今回製作したeFREVOのクリースは15本で、それぞれのクリースも浅めに作っている。その結果、隙間少なめ(内外壁の密着度が高い)で気化量が十分でなかったと思われる。クリースを18本で深めにすればある程度気化量を増加させることが可能。それでも14ジェットは多過ぎるかも。8〜10ジェットなら4分切りまで持っていけると思うけど、3分台前半は難しいだろうなあ。

eFREVOでのチャレンジはここまでにしよう。これ以上やってもeFREVOの最適・最大化プロジェクトになってしまうんで、それは皆さんにお任せしますよ。

eFREVO を含む CHS ってかなりバランスに優れていたんだと再認識した試行でした。



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2022年07月22日

爆速給湯チャレンジ - その1 - #Sub150 #FastBoilChallenge

挑戦のスタートにあたり、ベンチマーク ー 基準データを得ておこうと考えて、CHS型の中でも立ち上がり最速で火力も強い easyFREVO アルコールストーブを試した。

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いつも通り 15 クリースで 7 ジェット。孔径は 0.7mm。

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30ccの燃料を投入して、本燃焼まで着火から3秒以内。やっぱり速いねえ。

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結果は 4 分 20 秒(260秒)
4分台前半は、アルコールストーブとして結構速い部類に入ると思う。5分以上かかってると「遅え〜」って感じるのですよ。

ジェット数を8にするとか、孔径を0.8mmにするとか、クリースを4〜6本増やすとかすれば、1〜2割の改善が可能だと思う。多分4分切りまではできるかなと。それでも3分切りには遠いので、ちょっと極端な方法を今後試していきますよ。




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2022年07月16日

爆速給湯チャレンジ ー 2分30秒切りを目指して ー #Sub150 #FastBoilChallenge

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「アルコールストーブは火力が弱い」なんてことを、たまに見聞きします。たしかにマスプロ製品とか、不完全な自作品だとそんな傾向がありますね。使い勝手だったり、燃焼効率だったり、重量だったりのバランスを考えると、現状に落ち着いていくのかなとも思います。

そんなバランスを無視して火力だけに的を絞ったアルコールストーブがあってもいいじゃないか!? 元々私のストーブはピーキーで火力重視傾向が強いんだから、その個性を突き詰めてやろうじゃないか。炎の美しさもこの際無視。というわけで爆速給湯チャレンジを実行します。
もちろんチャレンジャー大募集ですよ。私のアイディアは限られてるんで、いろんな方に挑戦してもらって、その結果アルコールストーブの世界が広がれば良いなと思っています。

ルール
  • ストーブのサイズは太缶の直径66mm、高さは50mm程度までとしましょう
    大きければ大きいほど火力を上げられるでしょうけどね
  • ストーブの重さは不問
    ULである必要は無しにしましょう
  • ストーブの燃焼形式/方式も不問
    ジェット/非ジェット/密閉/開放/触媒などなんでもござれで
  • 五徳は何でも可
  • 風防は無しで計測(輻射熱を除外するため)
    ストーブ単体の火力を見ましょう
  • 必要なアルコールの量は制限無し
    燃費/効率なんて無視しましょう
  • 無風の屋内で計測可
  • 計測は 13℃ 400ml の水が点火から沸騰するまでの時間
    1℃違うと結果が結構変わるので重要なポイントです
  • 使用するクッカー/ポット/ケトルは何でもあり
    ヒートエクスチェンジャー付きでも良いですが、無しの場合のデータも公表してくれるとわかりやすいですね
アルコールストーブの火力は、基本的に単位時間あたりの燃料消費量に比例して上がります。太缶サイズでどれだけ燃料消費率(燃焼効率)を悪化させられるかがキモとなるんじゃないかなと想像してます。

アルコール燃料そのものが持つ熱量って他の燃料に比べて低いです。他の燃料と混ぜるなんて技も無いことは無いけと、そこまでしてしまうと"アルコールストーブ"と呼べなくなってしまうんで、混ぜるの禁止です(笑)。

私は表題にも書いた「SUB150」、150秒・・すなわち2分30秒切りを目指します!

posted by tetk at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) |  アルコール沼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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