GW頃の春山シーズンを前に、ちょっと足慣らしのつもりで東京都最高峰という雲取山へ出かけた。関東に住んで20年以上経つけど実は今まで行ったことが無かったのだ。若い頃は3,000m前後の山が格好いいとか、森林限界を超えた尾根歩きが好きで、中低山に見向きもしなかったんだよね。ようやく?名実共に中高年になったからちょうど良いかな。
鴨沢に車を停めて、20分程度結構な急坂を登って、明るく開けてきたなと思ったらなんと車道。本当の登山道入り口まで車で入れることが判明してちょっとガッカリ。でも、駐車スペースはほとんど無いから、やっぱり下に置くのが正解だね。
距離は長いものの、ブナ坂への分岐まで段差がほとんど無い平行移動に近いタラタラとした登りで、とっても歩きやすい。子供でも年寄りでも平気だと思う。逆にペースが上がりすぎて後が辛いかも。
分岐でコースを七ツ石小屋方面にとると、ようやく"山"らしい急登が出てきて、自分のペースが落ちるのがわかる。七ツ石小屋のテン場は小屋前の休憩スペースみたいな場所で、1-2用テント2張りが限度かな。すぐ上の水場もまだ初春だからなのか涸れていた。
えっちらおっちら七ツ石山頂(1757m)に到着。鴨沢が標高600m弱だから1200m近くは登ったことになるのかな。何も道中にハイライトが無いから人気が無いのかも知れないけど、眺めの良い明るい山頂でした。下の写真は山頂から見たブナ坂と雲取山(右の木の奥)。

山頂直下の急坂を下るとブナ坂。この道こそが雲取山のハイライトじゃないかと思った。気持ち良い尾根筋を奥多摩小屋へ進むと、タラコ唇のトトロ?が迎えてくれる。奥多摩小屋のテン場は、あまりスペースは広くないけど、気持ち良さそう。小屋前で早いお昼にして、雲取へと向かう。

雲取山(2017m)からの眺めは、残念ながら少し霞んでいたけどなかなか良かった。歩いてきたコースも一望できて、結構長いコースの果てに位置することを再確認って感じ。。
山頂から飛竜山方面を望む。

山頂で一休みした後、雲取山荘への北尾根を下る・・・下ろうとする・・・完全凍結・・・青氷みたいな箇所もある・・・そそくさと軽アイゼンを装着。アンチスノープレートを着けていない事もあって数歩で身長が高くなる。雪の下駄は危険この上ないのでその都度雪を落として慎重に下ると、コース図20分のところを30分もかかってしまった。

雲取山荘のテン場が使えないようなら奥多摩小屋まで戻るつもりだったけど、一箇所だけ雪が融けて設営可能。時間も早いし天気もいいし、ノンビリゆっくりHooped Outlandを立てる。"お約束"のフライをかける前の写真。

アウトランドはフープ無しこそコンセプトに合ってると思う。でも、Outlandは背が低いから一番高いところでも座って天井に頭(側頭部)が触れ、この状態で室内で火器を使うのは気が引けちゃうし、寝転がって火器を扱うにはフープがあった方がいい。炎が高く上がるアルコール・ストーブや余熱が必要なストーブに特に有効。だけど出入りに関しては最低。高這い(膝をつかない四つん這い)状態で出入りしなければならない。
夜になって気付いたけど、北の方角の遠くに小屋の明かり、埼玉の街の灯り、東京方面の空がオレンジ色に見えた。それと「帽子をかぶったまま葉じゃ寝られない」ことを発見、。頭が寒いからとビーニーをかぶってシュラフにもぐったけど、全然寝付けなかった。
朝方のテント内温度は最低で2-3度。外気温は多分-5度くらいじゃないかな。15年以上昔のモンベルの化繊シュラフ"No.2"だったけど、寝ている間は快適でした。でもコレ、嵩張るんだよなあ。
朝6時頃に雪が舞ったし、ガスが出てて視界100m程度で眺望は望めなさそうだから、雲取山荘から小雲取山への巻き道をチョイス。

原生林の中の雪道を、時々膝まで踏み抜きながら進む。このコースは気に入った。雪の中の美しい林相と鹿の足跡・・・。どうやら巻き道は鹿の通り道にもなっているらしく、ずっと足跡が続いている・・・と、少し先を鹿の一家らしき群が横切る。彼らのテリトリーに侵入していることを心の中で詫びつつ、アイゼンを効かせながら巻き道は終了。

アイゼンを外し、後はテンポよく下る。きのうのポカポカ陽気でグズグズになっていた道もきょうの気温で少し締まって歩きやすい。堂所付近でゆっくりラーメンをすすり珈琲を堪能して下山。

今回の山行きは、荷物が少なかったから"元寛大な妻"の古いカリマーを借用。モデル名は忘れた。背面長を簡単に調整できるのが"売り"のザックだったけど、やはり男には短いしショルダーハーネスも足らなかった。45-50Lくらいのザックを買おうかなあ。
それと今回の教訓。
1. トランギアのストーブは、燃料を入れたまま携行してはならない。内圧差で漏れ出してしまった。
2. 軽アイゼンはやっぱり8-10本歯がいいね。前歯が必要と感じる所は皆無だったけど、6本歯(携行)より安定するし安全。
3.雪道が終わったらサッサとアイゼンは外そう。延々とアイゼンを付けっぱなしのツアー・パーティがいたけど、木の根を傷つけたり切ってしまうから、ロー・インパクトじゃないよ。