6年前の2013年に一度、ウコン缶でCHS-Uにトライしました。
とにかく加工性が悪い缶だし普段飲むことも無いし中途半端で終わったまま。今回の再チャレンジは、実は別の工作でキャップ部分が必要になって、余った下側を捨てるのが忍びなくという消極的な理由からでした。ところが久々にやってみるとなかなかどうして思うような炎が得られず、結局中身を捨ててまで何缶も消費することに。試作品たちの様子がコチラ ↓。
ようやくすったもんだのなんだかんだで及第点が与えられる性能に到達出来たので、一応これでマイクロCHSは終了ということにします。
備忘録を兼ねて作り方を公開します。例によって個人で楽しむ分にはいくらでも真似てもらってOK、でも売るのは禁止。特にメルカリID
Bold☆official は絶対真似すんな。
使うのは直径45mmの小さなボトル缶で俗に言うウコン缶。それを3缶使います。
でも"ウコン"を商品名に使っている缶は、底の形状が丸くて加工しにくいから、メガシャキとかマカとか乳酸飲料系の缶が良いです。
塗装剥ぎは任意で。炭酸や珈琲飲料缶に比べて塗装が厚くて硬いです。真鍮ブラシとかじゃ歯が立たない。私はスチール製ホイールブラシで削ぎ落としたあとに真鍮とナイロン・ヤスリを使って仕上げてます。
トップ・パーツの缶底斜めの部分は接着のために剥いでおく。
インナー・パーツは見えないところだし任意で。
アウター・パーツは気合で(笑)
切り出す前に ↓ のように予備作業しておくと後が楽です。
トップ・パーツの開口面を穴あけ作業しておく。胴体部分を3cmくらいで切って接着工程の治具にする。
インナー・パーツは底のカドの部分にクリース付をしておく。
切り出した各パーツ。
トップ・パーツの開口直径は35〜36mmが良いです。35mmより小さいとCHSを名乗るのがはばかれる起動時間になるし、36mmより大きいと30ccの燃料が10分もたない大食いになってしまう。しかしこの穴あけ加工が難しい。缶底をヤスリで削る方法では38mmくらいで大きすぎる。私はコンパスカッターでできるだけ大きく開けておいて、その後軸付き砥石を使って地道に拡大しました。
インナー・パーツの上側は、缶底をヤスリで削る方法でくり抜いた後、さらに削って開口直径を広げています。またクリースは15〜18が良いでしょう。この作例は15クリースです。
各パーツの切り出し高は、トップとインナーを重ねた高さがアウターより1〜2mm低いくらいです。
トップとインナーをJB-Weldで接着します。接着無しで隙間を無くすのは至難の業ですから。治具の使い方は動画を参照してください。接着後にジェット孔と短冊の加工をします。
ジェット孔は 0.7mm X 6。0.5mmで下穴を開けてから0.6mmで角度付け。最後に慎重に0.7mmに広げました。
スリット・スカート(短冊)は、嵌合前に折り目を付け、一旦真っ直ぐに戻しておくと嵌合時にスジが着きにくいですよ。
アウター上部は焼き鈍しておきます。安全性と見た目のために折り返し処理をしていますが、かなり密に嵌合されているので、折り返さず高さを合せてヤスリがけしておくだけでも十分です。
6年越しでようやくマイクロCHSのバランス点(あくまで私の個人的嗜好を満たすだけ)を見つけ出すことができました。
でも炎の美しさが riku さん作の Micro Hoop Stove(CHSじゃない)に及ばないんだよなあ。