Rift Stove
毛管現象利用極小副室型オープンジェット・アルコールストーブ
外観はオーソドックスなオープンジェット(副室加圧型)。しかし立ち上がりは圧倒的に早い。昔ながらのオープンジェットが、副室内の燃料が沸騰して気化し始めるまでダラダラとした予備燃焼を続けなければならなかったのに対して、着火後即座に機能する毛管現象なら本燃焼まで 10 秒とかかりません。つまりオープンジェットの副室を極小化すれば、予熱時間が短くて済むということです。
自分的に完成形の Hoop Stove から、工作性重視でパイプを排除したパイプレスフープが生まれました。Fuzzy's Lil' Stoveのアイディアを流用させていただいた成果です。
オリジナルの Fuzzy's Lil' Stove は"溝"がそのまま炎の出口となるのに対して、私の場合は複数の"溝"を一つのフープへ接続して、フープから加圧されたジェット炎を噴出させようというもの。フープを気化ガスのバッファとしているようなところがあるかな。ボヤっとした炎より、力強く噴き出るジェット炎がどうにも好きなもので(笑)
パイプレスフープの難点は、溝の太さが作り手に依存して動作が変わってしまうこと。自作における再現性が低いわけです。爆沸現象も発生しやすい。さらに最後の一滴まで吸い上げさせるためにウィックが必要・・・ところが JSB さん考案の"短冊式毛管現象発生機構"で解決可能じゃないですか! さらにこれを応用すると、"溝"そのものも排除することが可能ではないかと考えた次第です。
jonfong57 さんの「Capillary Force Vaporization for alcohol stove」は毛管現象を利用した作品です。しかし習作だと、吸い上げる量が多過ぎて火の玉が飛び散る結果となりました。毛管作用で吸い上げたアルコールをフープでバッファリングすれば、もっと扱いやすくなるかもしれません。
とまあ前置きが長くなりましたが、Rift Stove は、特にJSBさんとjonfing57さんのアイディアを Hoop Stove へ適用してみたものです。フープストーブへの応用と言っても、そもそも Hoop はウィックジェット・タイプ。今回のストーブは「極小副室型オープンジェット」とでも呼ぶべき燃焼方式です。そこで別名の「Rift Stove (割れ目/切れ目ストーブ)」と命名しました。
切り込み数とジェット数の組み合わせを 10 数種類テストしました。いまのところ 16 Rift / 16 Jet が最もバランスが良い結果です。
特殊なパーツや工具が不要で、迅速強力なアルコールストーブが作れますよ。是非いろんなパターンを試していただけたら幸いです。
それでは、加圧出来ないんじゃん? と思って
強い噴出を予想出来ませんでした(ペコリ)
三層構造ならば、中間層に縦の切れ込みを!と
勝手に夢想していましたので
、そのベクトルで、JSBのほうは改善しました(爆)
☆加圧室の長さを、底部分にも延長してみました
内向き炎。噴射方向など調整中です
、今少しの時間を戴きまして、、、
近日 Youtubeに UP予定です
30ccが8分で消費されるので、切れ込みから内側への噴出も結構あるのではと思ってます。でもジェットの大きさと数から考えると、そんなに悪くない燃焼時間かもしれません。
確かに内側への漏れを防止する内壁があった方がより良くなりそうですね。4層構造かなあ・・・。あるいは切れ目を入れるんじゃなくて、引っかき傷を付けるだけでも機能しそうな気がします。いろいろ試験してみなくちゃですね。
ごめんなさいm(_ _)m。
今回の工作の詳細ですが、まず、右側ふたつは、めんどくさがりの私には珍しく壁の内側のアルミ面にもコーティングはがしと粗研磨を施しています。
これはつるつるのコーティング面よりざらざらの粗研磨面の方がアルコールに対する濡れが良くなるだろうとの考えからです。逆にバスタブ側の壁にはより細かいつるつる研磨をしています。これは高級感を出す(えへ)為とアルコールが壁を伝って登らない為です。
研磨によって薄くなった壁は立ち上がりの早さにも影響している様に思います。
また。一番右の壁ストーブ(?)は、中間壁に切り込みを入れた後で20本のリボンをjet孔の真下の切り込みを内側に向けたハの字型にねじっています。
ハの字が10個になります。
これは3つの壁に適度な隙間を作る為で、リボンストーブからの応用です。
結果として、壁ストーブ(?)は燃料を吸い上げすぎている為に立ち上がりで真ん中のストーブに遅れを取っています。
また、バスタブ燃焼は一番少ないのですが、つなぎのないハンバーグや10割そばのように見た目に硬い炎になっています。
僕的にはまん中、グルーブ直下だけに短冊切りを加えたものが、一番しっとりとした炎で、火力も強く、好みです。
バスタブ燃焼も炎を作る上で大事な要素だと感じました。
やはり、重いものは立ち上がりが悪いのかな?
火力が既存品と大して変わらず。
気を取り直して、軽量モデルに挑戦
唐T3mm*25mmh 、6.0 gr
16縦切り込み、裾短冊状、
jet:0.8mm*8穴
外側壁を上に3mm伸ばして
、内側へ折り込んだ。接着不要だった。
程よい火力のようなので、こちらを
動画編集してみます
最初の意気込みは何処へ?(汗)
気にせずどんどん進んじゃってください。今やトップランナーの一人ですよ!
バスタブ燃焼って、予備燃焼時に大きく、本燃焼時に小さくなるのが理想ですよね。そんな仕組みがあれば鬼に金棒(笑)
理想を求めて探求しましょう!!
昨晩から内シールド実装方法を考えていて、Capillary, Groove and Hoopの三位一体に行き当たりました。
来週にかけて試験していきます。多分工作的難易度が高いのはかん合だけだと思います。
今回の実験でどう作っても、どう吸い上げてもパイプレ­スフープは 良く燃えるということが分かりました。
既に必要充分な火力がありますから、これ以上を求める必要はないようにも感じました。
しかし、もし更に高火力を求めるなら、全く別の形の炎の出し方が必要だとも思いました。
毛細管方式の吸い上げを更に生かして高火力につなげるには、多少­の立ち上がり時間を犠牲にしても、もう少し大きなチャンバーが必要な気がします。ガスのバスタブ内への逆流を減らす為に、ウィックの使用もやはり­有効なのではと思います。(たった2ヶ月の経験則ですので間違っているかもしれません)
p.s. 一番右のストーブ、jet孔を1mmに拡大した所、jet炎の輪­郭は少しぼやけましたが、全体の炎はしっとりと力強い良い炎にな­りました。 
p.s.2 トップランナーの呼称はまだ模倣しているだけの私にはくすぐったいです(^_^;)謹んで返上・・(^_^;)
理想的には、内缶の上端内側位置に受熱板が飛び出ていれば
燃焼熱をいっぱいフランジ部分へ伝導出来ます
つまり、缶切りでキレイに切り取っていた匠わざが
逆に、受熱を減らしていたのかも?
たとえ、3mmの舌先でも、一周あれば強い味方
細かく短冊状に切り分け、上昇気流に対して斜めにすれば
斜めに吹き出しているjetへの誘導板みたいな機能も付加できる
加熱したい部分はフランジだけ。ボトムから発生する熱を
如何に効率良くフランジの加熱に使えるのか?
工夫ポイントのひとつは、其処にあると思います
中心部はむしろ、発生熱が無いほうが、良いかも?
熱エネルギーは密度の高い方から低い方へ行く
戦車砲弾の仕組みは中心へ向かって爆裂力が集まるように
蟻地獄みたいな形になっています。上空6cmの鍋の中心点に
炎を集めるために中心空白域を提案(笑)
シェラカップぐらいの直径の
中心空白域が存在しています
Rift stove をドーナッツ状にする提案は
来月のタイムスケジュールに入れときましょうか(笑)
私が公開したパイプレスフープの形状だと、バスタブ炎がストーブ径全面から燃え上がるので、フランジ部分の加熱が有利だと思います。
twitterで写真を掲載したRift内炎版だと、チャンバーが大きくなった分予熱に時間がかかるようになり、さらにフランジ加熱も弱くなった結果でした。
ただ、既存オープンジェットと同じ外観という所も重視したいので、不利な形状でどう内圧を上げていくかが課題です(いま内遮蔽板に挑戦中です)。
ドーナツって、中央通気ですか?
これをオープンボディーに組み込むとバスタブから気化してしまう燃料が増えるんで、バスタブ燃焼を抑えたい私には逆効果じゃないかしらん。
でも鍋底に付く水滴は減りそうですね。
高速起動を維持しつつ、バスタブ面積を減らして燃焼時間を長く、でも火力は強いというのが目標です。きっと高速起動できなくなる予感・・・。
☆割れ目
、上から見て三角形の内角になるような仕組み
水で実験してみたら、この形が最も多くの吸い上げ量
狭角がもたらす毛細管現象で吸い上げ効果が最大値
なので、こちらを具現化してみます
instagramに載せたように、割れ目からアルミ壁の厚みを利用したスリット式に移行してます。
内炎版の印象は悪くありません。ジェントルな燃焼と高燃費っぽい。起動はブローしないと普通に遅いです。いまかん合部分の漏れを穴埋め中なんで、明日以降再テストします。
フランジの急加熱を考えると、2層壁に利がありそう
JSBは、もう少し2層壁のデザインを追求してみます
特に、吸い上げ路の設計ですね
毛細管現象は狭い角度で最大になる事実
肉厚の缶は、やはり、ダメだ。バタン(笑)
今トライしてるのが缶底を3個使って構成する3層構造なんですが、工作性に難有りです。結局接着剤が2回必要・・・。
中空輪の部分にマスが集中してるとやはり立ち上がりが不利だし・・・
見た目はいいんですけどねー。
吸上路・・・切るんじゃなくて、ボールペンで軽く筋を付けるだけで「極細Groove」とか「極小隙間」が作れるんじゃないかと思います。これなら2層で内側シールドも装備できるハズ。
いつも興味深く読ませてもらっております。
>バスタブ燃焼って、予備燃焼時に大きく、本燃焼時に小さくなるのが理想ですよね。そんな仕組みがあれば鬼に金棒(笑)
こういう方法もありますよ。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=9quaE8I4C4Y
クッカーで蓋をしてしまう逆転の発想(笑)
これも毛管現象利用極小副室型ですね。
もし知っておられたなら失礼しました。
鍋置いてサイドバーナーにする方法ですね。それだと内炎型(集束炎)に使えないのと、一番熱したい鍋中央が空白区になってしまうんで避けたいんですよねー。そんなこともあって、内炎ジェットで「エアシャッター」みたくバスタブ燃焼を抑えるのがいいかなって思ってるんですけど・・・。
このRift Stoveの内炎バージョンを何種類か試してます。バスタブ開口面を狭くしたり広げたり・・・。予熱時間と燃焼時間が比例関係にあって、10秒以内の立ち上がりを実現すると10cc 3分が限度ですね。
コメントをありがとうございます。
その方法で何パターンか試しているんですが、パイプレスフープのジェット力に及ばないんですよね〜。フープ内の圧力が上がらないのが原因と思います。構造的に難しいんですよね。
ワタシ的にはパイプレスフープの内缶に短冊スカートを追加するのがベストだなと。
クッカーやポットの底面積が100mm以下なら制作の手間を含めてもこれ以上はないんじゃないかと思ってしまう。
私もいくつも沢山のパイプレスフープを作りましたが、そもそも精神的負担もなく何個も作れると言うことはその構想、設計自体が美しいからです。
鍋底が140mmほどあって火力重視燃費無視なら二重リングの内炎式でjetを増やせば給湯時間は短縮できましたが制作の手間と設計の美しさがいまいちでした。
やっぱり次は内燃式ターボ炎を6個くらい並べるしかないのかなぁ(^_^;)。
ミニ缶利用のパイプレスフープで、大なべ用に火力アップするなら、内炎ジェットにさらに外炎ジェットを追加してみたらどうでしょう? 気化ガスの"抜け"が良くなって内圧が下がると思うので、溝の数を増やさなければならないと思いますが。
太缶の形状だと厳しいですね。
JSBさんの作例に、フープを用いないタイプがありました。溝を途中までにして上端は外缶に密着密閉させ、溝の上の方にジェット穴をあけるというやつです。これならどんなサイズの缶でも作れますよね。爆沸現象をどう抑えるかが難しいかもしれませんが。
そういう意味でも短冊仕様のパイプレスフープは、ベストバランスだと感じています。
もちろんPCのオーバークロッカーの様に道を究める意味では燃費など考えずに5秒でも3秒でもタイムが縮むことを目指すのもひとつのアプローチだと思いますので(どっちかと言うと私はそっち)ミニ缶内炎式20jetなんてのを作ってみました。
でも最初にストーブ作りを始めた動機、星を見ながらコーヒー‥に私が実際使っているのは短冊パイプレスフープなんです。
短冊パイプレスフープストーブは本当に美しい。内壁をぴかぴか研磨するともう、惚れ惚れする姿です(^_^;)。
私には「これ以上」なんてムリぽいです‥(^_^;)
400ml4分前後という性能は、数多のアルコールストーブの中でも最強の部類ですよ。しかも点火からの数字なんでなおさらです。
ワタシ的には、パイプレスフープのトルネードを、もっとオリジナルのHoopに近づけたいです。バスタブ燃焼を減らせば近づくはずですが、そうすると立ち上がりが遅くなるという相反する条件の中で四苦八苦してますよ(笑)
やっぱり師匠の美学は半端ないです‥。
オリジナルHoopの炎と言うと開口径が少なくなる分立ち上がりの遅れとバスタブ燃焼が減る分の火力低減が出てきますよね‥。
バスタブを途中から蟻地獄みたいな逆円錐形にすれば(下部に外気と遮断されたタンクを設けるみたいな)
立ち上がりから暫くは通常に燃焼して、そのご徐々にバスタブ燃焼を減らせるかなぁ・・。
完全密閉型のストーブ(ネジ式の加圧型とか)のトルネード炎はそりゃ美しいんですよ!
でも使い勝手が悪過ぎるんで、それを排除しつつ炎を近づける・・・というのが目標ですね。
バスタブ炎の火力低減分はジェット速度を上げてカバーすればいいんですが、開口面を絞るとフープ部分が加熱し難くなって速度が下がる・・・これまた相反する条件・・・それに前述の立ち上がりの問題・・・単にバランス取るだけじゃ玉虫色だし・・・。それにパイプレスの構造じゃ開口面を狭くできないですしねえ。
まだまだ悩みが続きます(笑)