さてカーミットチェアを使っていて困ることに、可動部のロックナットが緩んでいつの間にか失くしてしまうことが挙げられます。

オリジナルではダブルナットにしていますが、開脚一発で回ってしまいます。すると近いうちにナット脱落となるわけです。厚みの薄いスパナで奥のナットが回らないようにしっかり抑え、手前のナットを力一杯締め付けておけば少しの間は大丈夫です。しかしどれだけ締め込んでも一度緩むと歯止めが効きません。
対策を考えるにあたり、まずは問題の箇所の構成を調べてみます。

● Kermit Chairに使われているボルトはインチ規格のW1/4 20山という太さです。
● 間に挟まっている金属プレートの1枚にネジ切りが施してあり、ボルト頭側がある程度固定されるようになっています。
元のW1/4ボルトのままでの対策案
案1 ナイロンナット(ダメ)
一番簡単です。ただし締め付け強度が弱くて緩みやすく、抜け落ちにくいけど可動部にガタがすぐ出てしまいます。ねじシロが足らないのでダブルナットにすることもできません。
案2 U ナット(ネジ/Uナットのお取り寄せ必須)
二番目に簡単な方法は『Uナット』という緩み止め機能があるナットを使うことです。Uナットは強く締め付けることを前提にしています。そのためダブルナット(ナットを二重にする)が必要になり、ボルト長が足りません。ボルトも長い物に交換する必要があります。ちょうど良い長さのボルトが既製品に無いのがネックです。長めのネジを切断できる人なら、W1/4ネジを取り寄せて U ナットでとめるのもアリです。
案3 ハードロックナット(不可能)
絶対緩まないという『ハードロックナット』と交換することを思いつきましたが、ある程度の数をコミットしてW1/4サイズの特注を打診したものの断られてしまいました。
インチ規格を諦めて M6 サイズのボルト/ナットに換装してしまう対策案
案A 金属プレートの切り直し(不可能)
W1/4サイズのネジが切ってあるプレートを M6 サイズに切り直すのは、そもそも M6 の方が細いので不可能です。
案B 金属プレートの作り直し(無理)
切り直しができないなら作り直すことも考えられますけど、日曜大工の範囲を超えてて無理です。
案C 金属プレートのネジを無視(現実的)
考え付くことすべて NG で、半ば自暴自棄的になって無理やり M6 サイズのボルトをねじ込みました。これをやると元のW1/4のねじ山が潰れてしまいます。W1/4ボルトに戻した時に、ネジが馬鹿になっている可能性大です。それでも構わないという人だけ真似してください。
これならUナットでもハードロックナットでも使うことができます。
簡単に誰でもできる方法となると案Cしかありませんね・・・ということで、M6サイズへの強制換装とUナット/ハードロックナットの両方を試験してみました。
オリジナル(W1/4-20)のボルト/ナットと M6 のボルト/ナット

写真はハードロックナットです。ボルトは M6-70。元のボルトより長いのがわかると思います。
Uナットでの組み合わせ

マジックの黒い線のところで固定して開閉を繰り返すと、プレートの線からずれるもののナット自身の緩みは今のところ見られません。
ハードロックナットでの組み合わせ

こちらもプレートの線からずれるものの(奥側を締め付けていないから)、ナット自身の緩みは今のところ見られません。
結果
フィールドでの使用数日および自宅での開閉試験 200 回程度では、どちらも緩みが発生していません。一応ナット脱落防止の目的は果たしているようです。
ただし、両脚とも 70mm のボルトに換えると、スタッフバッグの出し入れでかなり引っ掛かります。やっぱりネジの切断をした方がいいですね。ちなみに標準品だと 70mm の下は 60mm です。60mm だと Uナットは使用できません。
追加情報:
一般的なホームセンターで、Uナットを購入できます。
ハードロックナットは、東急ハンズ池袋店に扱いがありました。
ラベル:チェア
私のBlogも引っ掛かるものの一つかも知れませんね(笑)
私も今シーズン大分使用しましたが、ナットのチェック
はしていませんでした。
ゆるみ防止だと、tetkさんが紹介された他はロックタイトのゆるみ防止剤くらいしか
思い付きませんが、頻繁に動かす部分にはどうなんでしょうかねぇ。高強度の物を一応塗っておいてみます。
脱落防止だけなら、ボルトに穴を開けて割ピンを入れるんですが…
ちょっと自分のもチェックしてみます!
内ナットで少し押さえて、ボルト/ナットが一緒に回転するくらいの遊びを確保しつつ、さらに緩まないようにする必要があるんですよね。
なかなか難しいです。定期的にチェックするなら標準のナットを思いっ切り締めこんでおけば事足りるんですけど、メンテフリーにしたいんですよねー。
もう一年経ちますね。
手元に届いた時の感動を今でも覚えています。
ねじのサイズはウイットだったんですね。
確か、イギリスの規格でしたね。ユニファイと思い込んでおり…ウイットは頭にありませんでした。
実は、TETKさんの自作テーブルに大変感銘を受けカーミットチェアに合うテーブルを自作しました。
脚の可動部のねじが、毎回緩むのでナイロンナットを使って対策を施しました。
でも、使用を繰り返すと…やはり緩みますね(汗)
カーミットチェアのダブルナットにも使えるかな?と思っていましたが、考えが甘かったです。
今回の情報も大変役立ちました。ありがとうございます。
事後報告で大変恐縮なんですが、自作したテーブルはと言いますと…
トータルのエスプリを効かせた結果、TETKさん自作テーブルの完成度があまりにも高かったので構造を模倣してしまいました。
はい知ってました。金具まで製作されてて、凄い人たちがいるもんだなあと思ってましたよ。
私の方はと言うと、ロールトップ・テーブルの脚の開閉方法に拘りたいんだけど金具の入手ができなくて、あのまま放ってあります。そろそろ焚き木になるんじゃないかな(笑)
今のところ大丈夫です。
tetkさんのレポがなかったら
ネジ紛失だったのでしょう〜
感謝いたします。
まあ過剰反応みたいなもんですが、一度失くすと入手しにくいサイズのナットなんで・・・。転ばぬ先の何とやら、と思ってください(笑)
現在、米国滞在中なのでナットであれば荷物の隙間にいれて持ち帰れそうです(来年の夏か秋ごろになりますが)。情報提供のお礼にでもなれば余分に持ち帰ろうかと思います。
自分で調べていないので恐縮ですが、もし米国内で流通する緩まないナットについて情報をご存知でしたら教えてください。
素敵な提案をありがとうございます。
でも、ハードロックナットは日本の会社の発明品なので、アメリカにも無いのではないかと思います。仮にあってもW1/4-20サイズは無いはずですし、通常品だとボルト長の問題が残るので、ナットの変更だけで済まないでしょうし。
ウィット・サイズのUナットは日本でも入手が容易なので、わざわざお手数をお掛けするまでも無い品物です。
ありがとうございました。
その後なので、語り難いのですが、、、(笑)
いっそのこと、ボルトを逆方向から差し込んで
プレートのメネジをひとつのナットと仮定して
最も内側の位置は、ナット厚み分を
ザグリ加工して置く
ボックスレンチで締め付けたら、もしかしたら
ダブルナットのような効果が期待できる?
、、、、
でも、緩んでしまっただろうなぁ orz
そこまでの改造なんて考えてもみませんでした。
ポン付けか単純な交換で済ますのが関の山・・・。
このままだとスタッフバッグへの出し入れが窮屈なので、ネジを切断しなきゃと思いはや半年。とりあえず使えちゃうとそのままになってしまいます。
近くに置いてある店があるといいですねー。
Uナットもあったのかな? ベストはハードロックなんですけどねー。