先日の西穂山荘で、小屋の近くに咲いている高山植物の名前を子供達と教えてもらったとき、考えさせられることがありました。
本来なら小屋周辺の山域では生息していないはずの高山植物が、其処彼処(そこかしこ)に咲いているのです。おそらく登山者の靴やザックに付いて来た種が発芽して繁殖したのだと思います。小屋の方は小声で「ホントはコッソリ抜かなきゃならないんですけど・・・」と話されてました。元々あった植生を守るなら抜くのが正しいのかもしれませんし、いま現在咲いている高山植物をそのまま維持するなら放置するのが正しいのかもしれません。"侵入者"が貴重な高山植物なだけに悩ましい問題ですね。我々登山者にできることは、次の山行きの前に靴の泥をしっかり落として種子の運び屋にならないように注意することくらいなんでしょうか。
余談ですが、日本の高山にハイマツが多いのはホシガラスが生息しているからという説があるそうです。彼らがいない海外の高山にはハイマツが無いんですってね。
2009年08月13日
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これを自然の原理と取るか、反則と取るか?
鳥はOKで人間はNGと言うのも無理がありそうな気がします。
ただ、無いはずの高山植物が下界にあると・・・少し複雑な心境ですよね。
ちなみに、ウェーディングシューズのフェルトは、藻とか、藻の病気を運ぶとの事で、今後禁止して行く方向らしいです。
「ローインパクト」とか「元のままの姿」ということを考えると、人間が入らないことが一番の得策なんでしょうけど、入山禁止にでもしない限り無理でしょうし、入るからにはできるだけ「ありのままの姿」のままで帰って来たいですね。
人間が入れば入るほど裸地化するのは事実ですし、これを実践すればショートカットとぬかして苔むした岩の上を通ったり草を踏みつけることも減るでしょうし。
この意味で最近流行のトレランって、あまりローインパクトではないような気がしています。もっともそれほど高いところでは走ってないんでしょうけど。
媒介するのが現地に生息している生き物かどうかがキモになりそうですね。
フェルトはNZではすでに禁止されているようですね。国内でもそういう動きがあるんでしょうか? そうならばフィッシング用だけでなく沢登り用も規制しなければなりませんね。