2009年02月24日

シングルポールの譜系

ちょっと前にSOLETの情報をリクエストされましたのでまとめてみました。


たった一本のポールで居住空間を作り出してしまうシングルポール・テントも、moss の中で古くから存在していました。系図的には SOLUS II → SOLUS → SOLET → HELIX/DOUBLE HELIX という流れになるのかなと思います。


SOLUS II

私の持っている一番古い情報では、1980年の雑誌広告に SOLUS II が掲載されています。1982年のカタログに掲載され、1984年カタログで落ちているので、1982年か83年まで続いたと考えられます。SOLUS II は、後年の HELIX と同様にメッシュテント+別体フライシートという構造でした。

1980年の雑誌広告($165でした)
solusiiad.jpg

1982年のカタログ(スペックは変わっていません)
solus2.jpg


SOLUS

1984年カタログから登場する SOLUS は、SOLUS II とかなり違った構造を採用します。SOLUS II と同時期に廃盤になった CRICKET I で提案されていた、テント本体とフライシートが一体化された構造に変更されたのです。83年か84年に発売開始され、85年か86年に廃盤になった短命なモデルです。同系譜の他モデルと比べると異端児的な存在に思え、SOLUS の名を引き継ぐのではなく、別のモデル名にした方が座り良く感じるのは私だけでしょうか。

1984年のカタログ
soluspage.jpg

フライシートを一体型にしてメッシュ・パネルと組み合わせることで、通気性を確保しつつも最大の軽量化とコンパクト性を実現したかったんだと思います。フライを簡単に捲り上げられるのはいいアイディアですが、フライがステー/ガイラインの役目も兼ねているので横風には滅法弱く、風速12m/秒程度の風で横転してしまったオーナーさんもいらしゃるようです。


SOLET

SOLET は、85/86年のカタログを持っていないので発売開始時期がわかりません。1985年から87年のどこかで発売が開始され、1990年まで掲載されていました。二世代前の SOLUS II に近い構造(テントとフライが別体)に戻されたことから、SOLUS や CRICKET みたいな一体構造は失敗だったのかもしれません。なんとなく moss の試行錯誤が見えるようですが、それでも数年しか販売されなかったモデルです。

私の持っている情報だと、当時の価格は以下のとおりです。
US定価日本定価
1987年$208
1989年\48,000
1990年$215\48,000

以下はカタログの直訳です。
『ルーミーでありながらウルトラ・ライトウェイトな SOLET は、ソロ・キャンピングの概念を覆すものです。狭いビビーザック(Bivy sack)とは比べ物にならない快適性を提供します。優雅で、シンプルなソレットのデザインは、同時に超軽量と容易な設営を実現しています。僅か1本のアルミニウム・ポールと6本のペグで設営できます。テント本体は全面がメッシュ・スクリーンで、この上ない通気性と見晴らしを虫の侵入を許すことなく提供します。バスタブ型フロア・シートで、雨天時に水の縫い目からの浸入を防ぎます。』

1987年のカタログ
soletpage.jpg


HELIX / DOUBLE HELIX

1991年から1996年の間、mossにはシングルポール・テントがありませんでした。時期的にはmoss inc.がテント部門縮小に動き、REI 社へ売却された直後のある意味混乱期です。その後のモデル数拡大期に一人用HELIXが1997年、二人用DOUBLE HELIXが1998年から登場し、1999年まで続きました。ご先祖様には moss のデザインの凄さを感じませんでしたが、この HELIX のポールを"S字型"に曲げる構造には驚き、実際に DOUBLE HELIX を所有していた時期もあります。しかし構造の割に設営に時間がかかること、綺麗にS字カーブを出すのがなかなか難しいこと、居住性と使い勝手が悪いことなどの理由で手放しました。

私の持っている情報だと、当時の価格は以下のとおりです。
HELIXUS定価日本定価
1997年$250
1998年
1999年$289\44,000
DOUBLE HELIXUS定価日本定価
1998年
1999年$389

以下はカタログの直訳です。
『革新的で、僅か1本のポールによるフレーム・デザインの Helix は、ルーミーでありながら軽量で、もっとかさ張るテントでしか見られないような機能さえも持っています。これ以上簡単にできないポールが1本だけのデザインで、非常に素早く設営することもできます。へリックスでは 2.23u、ダブルへリックスでは 3.22uという充分な居住空間を実現。垂直に近いメッシュの壁面によって、雄大な眺望と優れた通気性も確保しています。レインフライの作り出す前室に荷物を置くことも可能です。』

1998年のカタログ
helixpage.jpg

HELIX 以前の SOLET まで、moss のシングルポール・テントはフライシートの上部(一番高い場所)からガイラインを張ることができませんでした。そのため少し強めの風で簡単に横倒しになってしまったのです。HELIX になってようやくガイラインを取り付けるためのグロメットが装備されるようになりました。
ラベル:テント Moss
posted by tetk at 22:19| Comment(6) | TrackBack(0) | 道具系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も一時期SOLETかHELIXを欲しい!と探していましたがTetkさんの記事を読むと買わなくて良かったのかも知れません。

大昔、スターレットでキャンプ中に強風に合い、見事にヒシャゲてペシャンコ・・・

その時は二度とMossは買うもんか!な〜んて思ったもんです。
Posted by Drake at 2009年02月24日 22:43
Drakeさん
私もStarletの横倒し経験あります。収納サイズが小さく(DOUBLE HELIXより小さい!)登山テントの主力になってますが、やはり風が心配。腕のいい修理屋が復活したら、グロメット追加の改造をしたいと思ってます。復活しないんだよなあ・・・。
Posted by tetk at 2009年02月24日 22:54
tetkさんお疲れ様です!!

SOLET情報ありがとうございます!!
『ルーミーでありながらウルトラ・ライトウェイト・・』ってとこがいいっすね!あと優雅だとも!

それに定価より安く手に入れる事も出来たし!

春になったら大車輪で活躍してもらいますよ!おいらのSOLETちゃん(笑)
Posted by 91 at 2009年02月25日 12:37
91さん
多くのmoss(全部とは言いませんけど)を語るときに『当時としては』の前置きを忘れずにね。味気無いビビィに対する宣伝文句ですし、20年前の基準ですから。

それからSOLUS/SOLETは年数回eBayで出てくるんで、そこそこ数は流通してたんじゃないですか。
Posted by tetk at 2009年02月25日 19:06
私の一番初めに購入したmoss tentはHELIXでした。
シェイプも良いし、設営が楽という単純な理由で手を出してしまいましたので、突然の暴風雨でセンターポールに額にパンチされました(笑)
神様の”mossオーナー失格”という烙印を押されたような気がしました。(笑)
もう手放しましたが、今でも好きな形なんです♪
Posted by takapon at 2009年02月25日 21:25
takaponさん
Helixって話のネタには面白いですよね。でも実際使うとなると結構不便で、心の居住性に欠けてたかなと思います。

それにしても皆さんテントの辛い思い出を持ってるもんなんですねえ。それを集めたら本ができそう(笑)
Posted by tetk at 2009年02月25日 21:59
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