昨晩、KDDIの営業君が我が家を訪ねてきました。要件は、現在契約している旧TepcoひかりマンションV100から(現在のひかりone TタイプでWEB上ではすでに新規募集を打ち切っている)、KDDIのひかりoneマンションタイプVに乗り換えてくれないかというものでした。
まず住んでる集合住宅(マンション)の状態を説明しておくと、通信回線を提供する通信事業者(ISPじゃないです)として、NTT-ME(ISPとセット販売)、UCOM、NTT東日本、KDDI、KDDI(旧Tepco)、Yahoo BB(ここはISPとセット販売)が入り乱れてます。BフレッツのNTT東と、usenと組み合わせたUCOMの2社で、全戸の90%くらいを占めているんじゃないかと。KDDIやYahooの入線時期は最後発に近かったから、NTT/USENが通った後にはペンペン草も生えないような状況だったことは確実で、実際加入者も数えるくらいしかいないとのこと。そんな状況であるにもかかわらず、KDDIとしては旧Tepcoサービスと合わせて2重の設備投資/維持をしているわけで、赤字物件であることは間違いないだろうと思います。さらに、現在旧Tepcoサービスを利用しているのはウチを含めて2軒だけだそうです。
通信事業者の内情やら仕組みやらを知っている身としては、さっさと設備を撤去してマンション単位の黒字化を図りたい気持ちは痛いほど理解できます。でも、サービス契約を結んだ自分は利用者(ユーザ)なわけで、マンションから局舎までを共有する人が少ないのは朗報。ボトルネックが発生する場所が一箇所減るから速度的に常に有利になるのです。それに、全国的に旧Tepcoひかり網からKDDI網へ移行させているってことは、旧Tepcoひかり網のバックボーンも日々使用者が減って空き空きになっていくわけだから、たとえ今後増強しないとしても全く問題ないのです。
自分が通信キャリア事情やネットワーク技術に詳しいことを明らかにした上で、KDDI回線サービスに乗り換えるメリットを訊ねると、新規契約時のキャンペーンによる半額サービスが数ヶ月あるだけで、別に今回わざわざ手間隙かけて移行するメリットが希薄。そもそも共有する人の数が何倍にも増える回線に移行するのだから、そっちのデメリットの方が圧倒的に大きいわけです。
そういうわけで、当然のことだけど移行に関してはノー。当分は今の回線のまま使用し続けますよ。
もっとも、通信事業者が設備撤去を一方的に実施することもできるわけだけど、これに関しては総務省がサービス停止に係るガイドラインを出していて、「相当な期間」の予告を経てからでないとやってはいけないことになっています。通信回線のサービス移行には時間がかかるという理由で、最短でも3ヶ月、一般的には6ヶ月以上1年程度の猶予期間をサービス利用者(ユーザ)に与えなくてはならないのです。多分、今回戸別訪問して移行のお願いをしてきたのは、ユーザがゼロになれば直ちに撤去できると踏んだんだろうと思うけど、残念でしたね。
半年後か1年後には強制的に撤去されてしまうかもしれないけど、その時点で再度一番いいキャリアを選びば良いわけです。もし、旧Tepco回線からKDDI回線への乗り換えを薦めてきたら、速度が遅くなる可能性が高いからと言って断りましょうね。
2008年12月08日
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局舎までを共有する回線数が多いと混雑するので速度が遅くなるのですね。
ここまで考えてる人は少ないでしょうね。
いやぁ〜参考になりました!
どこのキャリアも公表しないけど、実は局舎から先の帯域も結構重要なんです。末端の局舎、それらをいくつか束ねる地域の中央局、県単位の中央局、東京や大阪の日本の中央に相当する局舎、それぞれの間の帯域と、通信事業者と各ISPを相互接続するポイントの帯域、さらにはISPから他のISPと接続している帯域(これをISPのバックボーン帯域なんて言いますけど)なんかがそれぞれ詰まりやすいです。
クレジットのカードネット端末機も、ひかりだと
不具合が生じる可能性があるといわれ、ますます
です。ひかりケーブルに関連する業者の対応もなかなかおっつけないのでしょうね。
私の周りだけだったりして(笑)
ひかりoneホームだと、物理インタフェース速度が1Gbpsになってるんですね。でもこれは最寄の局舎までの1Gbpsを、PONという装置で32分岐しています。つまり最大32人で1000Mbpsを共有しているんですね。そうすると最悪ケースでは一人当たり1000÷32=31.25Mbpsになるわけです。その点旧Tepcoひかりは、最寄の局舎まで常に100Mbpsを一人で占有できると言う特長があります。
しかし実際は局舎までの回線がそんなに混雑することは稀で(P2Pのヘビーユーザがいなければですけど)、局舎から上の回線(複数の局舎を束ねる地方集中局舎までやさらにその上)が混む事が多いです。
そうなるとKDDIと旧Tepcoの上位回線は別物なので、会員数がべらぼうに多いKDDIの方が混雑する確率があがります。一方旧Tepcoの会員数は減少傾向ですから、回線増強が行われなくても共有する人の数が減っていくので、実効速度は旧Tepco系の方が速いという想像ができます。
KDDIのひかりoneなら、もしかしたら瞬間的に100Mbpsを超える速度が出るかもしれませんが、そんなトラフィックが必要なアプリケーションなんて一般には存在しませんし、実効速度が不安定になる可能性が高いKDDIより、安定した速度の出る(可能性の高い)旧Tepcoの方が良いと思うのです。
そのうちサービス停止になると思いますけど、それまではわざわざ変更する必要なんて無いんじゃないかなと思いますよ。
3,000円/月の値差は大きいですね。マンションタイプだとほとんど差が無いので単純にパフォーマンスのことを考えてました。ひかりoneホームにTVサービスを付けてもKDDIの方が安い。CATVの専門チャンネルを見たいなら考えてもいいかもですね。