このコースはお薦めできます。道中に一つも鎖場、梯子、柵の類がない快適な縦走路です。
2日目
往路:北岳山荘―中白根―間ノ岳―農鳥小屋―西農鳥岳―農鳥岳
復路:農鳥岳―西農鳥岳―農鳥小屋―間ノ岳―中白根―北岳山荘
04:00 起床。霧雨状態です。天気が好転しなければ農鳥は諦めて間ノ岳辺りで引き返すしかないかなと考えながら、回復を待ちつつゆっくり準備をします。
05:45 出発。天気については半分諦め気味でレインスーツを着て歩き始めます。風が弱いのが唯一の救いです。
06:10 中白根山(3,055m)着。

展望ゼロ。この山は山岳標高順だとリストに載らない間ノ岳へ向かう途中の起伏みたいな扱いを受けていますが、一応日本の3,000m峰21座28峰では18位にランクされる山です(このリストでは富士山の剣ガ峰が1位、白山岳が2位になっています)。北岳山荘に泊まった人が御来光目当てで登るのに安全でいい山ですね。

中白根山から間ノ岳に至る途中の圏谷の黄葉。
07:00 間ノ岳(3,189m)着。

中白根を通過してから少しずつ天気も回復傾向。間ノ岳に到着後、青空も覗きだしました。やっと雨具から開放されます。一般には日本第4位、3,000m峰21座28峰では5位の高峰で、甲府から見ると右に北岳、左に農鳥を従えるデンと構える大きな山です。時折ガスが晴れて北岳も眺められるようになって来ました。この天候なら農鳥岳まで行けそうです。

間ノ岳山頂から見る北岳。

間ノ岳山頂の様子。
07:40 レインウェアから開放されて、農鳥小屋へ向かいます。

下る途中で見える農鳥岳方面。正面が西農鳥です。
昔の記憶では、間ノ岳から農鳥小屋(2,800m)まで急坂が延々と続くイメージがあります。膝を使い切ってしまわないように意識してゆっくり下ります。
08:40 せっかく稼いだ高度を400m近くも放出して農鳥小屋に到着。小屋は昔のイメージのままでした。ここへテントを張った昔は、テントとテントの間を、雷鳥の親子がまるで鳩の散歩のようにヒョコヒョコ歩いていたことが思い出されます。

農鳥小屋から見上げる西農鳥岳。
ここからは始めて歩くコースです。まずは西農鳥岳を目指します・・・が、西農鳥岳山頂がどこだかよくわかりません。標識も無く、隣接する3つのピーク(下の写真で、左奥に見えるなだらかなピーク、真ん中のピーク、写真を撮っている場所のピーク)をまとめて西農鳥岳と呼ぶのでしょうか。3,000m峰21座28峰では20位なのに、ずいぶんな扱いですね。

多分写真の真中のピークが3,051mだと思います。名前からは農鳥岳(3,026m)が本峰扱いされていて三角点も農鳥岳にしかありませんが、標高は西農鳥岳の方が高いんですよ。

西農鳥岳近くから農鳥岳を望む。最後の登りは緩やかな気持ちいい道です。
10:05 農鳥岳(3,026m)着。

15年越しの思いが果たせました。農鳥岳自体は"完登した!"という感動は少ないです。逆ルートで奈良田から大門沢経由で目指したら別の感動があるのかもしれませんね。農鳥は21座28峰で23位タイで、白根三山の3つ目です。なだらかな山頂で、この先の広河内岳まで歩いて行きたい気分。またひとつ将来の目標ができてしまいました。
10:45 農鳥岳出発。もっとゆっくりしたいのは山々なんですが、まだ行程の半分しか消化していません。後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にします。帰路で西農鳥の標識を探しましたがやはり無し。

11:45 農鳥小屋で小休止。400m弱の登り返しに向かいます。

間ノ岳は農鳥小屋から見上げる姿が一番迫力があるように思います。1時間程度で登れてしまうのですが、身体にはホント堪える上りです。15年前、農鳥小屋から広河原まで北岳経由で一気降りしたなんて、若さゆえの無謀な行程だったんだなあと実感。今なら御池小屋でもう一泊して山の余韻を楽しみたいです。
13:50 間ノ岳山頂を再通過。

ガスも出始めて来ました。元々天気予報では曇りで期待していなかったのに、間ノ岳―農鳥岳―間ノ岳の間はずっと晴れていてくれたことに感謝です。
14:35 中白根を通過。ここまで戻ってくればテントはすぐそこ。もう急ぐ必要も無いと、のんびり下ります。

15:15 北岳山荘到着。すっかりガスってますが、いい時間帯に帰着することができました。それにしても疲れたー。きょう一日で3,000m峰を4峰踏むことができました。頂上はもちろんうれしいけど、尾根歩きはホント気持ちいいですね。だからやめらんない。夕食どきまで山荘の近所をうろちょろして、ガスの切れ間から景色を楽しみました。


北岳山荘から北岳を望む。右下のコルが八本歯。
夜、シュラフに潜り込んでまどろんでいたら雨の音・・・明日は雨中の撤収か・・・はぁぁぁ・・・Zuzuzu。
風が強くなってきた・・・雨は上がったようだ・・・夜中に外を見ると快晴ではないか! 月が明るすぎて星はそれほどではないが、それでも都会の数倍はある・・・あぁ良かった・・・Zuzuzu。
私はピークハンターで無いので、あまり高い山へは登りませんが(九州の山は低い事もありますが)3000m級は未知の世界です。
しかし、ここまでmossを担いでいく事がニクイですね!
私も釣りがオフになったら、九州の低山を徘徊する予定です。
八ッには箱庭的美しさ、北アには格好良さ、南アには雄大さといった、山域独特の雰囲気がありますよね。九州の山の様子を全く知らないんですけど、九州には九州の山ならではの美しさがあるんでしょうね。
爽快な気分なのでしょうね。
tetkさんに
15年ぶりの想いと言わしめる
農鳥岳はすばらしいルートなんですね。
多分北アだと爽快+スリル満点だと思います。
その点南アは安心して歩ける尾根筋が多いですね。
農鳥は昔行き損ねた山だったので、ようやく胸のつかえがが取れた感じです。