2018年05月15日

WALRUS ZOID2.0

今から約20年前、1990年台のウォーラス・ゾイド2.0。2001年にMSRへ吸収されるブランド末期までカタログモデルでした。1980年台中頃に Orbit から始まったWalrusのテントはビジネス的に少し苦戦していたようで、90年代に縫製工場を韓国へ移します。白/黄または白/緑のフライシートで黒のフロア生地のモデルは、韓国製と思って間違いありません。

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ZoidはMSRになってからも2007年頃まで名前を変えず、いくつかのコストダウンと変更が加えられてラインアップされていたモデルです。「ウルトラライト・シリーズ」という製品グループで、まあ当時としてはそこそこ軽量な部類でした。でもダブルウォールで1kg未満のテントも当たり前になってきている現在では特筆するスペックじゃないですね。
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 ZOID
 1.01.52.0
フロア面積1.86u2.42u2.79u
前室面積0.65u0.63u x 20.67u x 2
最大高81cm86cm99cm
足元高38cm41cm41cm
重さ1.53kg1.81kg2.13kg

Zoidには1.0、1.5、2.0の3種類があり、2.0が一番大きな2人用です。今更この重さと仕舞寸を担ごうとは思わないので、居住性が一番良い2.0を入手。
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足元2箇所のペグを打ってないけど8角形のフロア形状。ペグ打たなきゃ立てられないし(ビビィ型だから当然だけど)、必要本数も多いから、簡単だけど面倒な設営かな。
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ポールはDAC。
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ZOIDの良いところは横側に出入り口があること。1.5と2.0は左右両側にドアを装備。
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MSR版では頭側のフック(下写真の奥側)の上側2個が省略されてますね。それと足元側(下写真の手前側)のフックの位置も変更されています。
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マットは半身用。2人でも充分な広さ。ただし高さ的には厳しいかな。
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ジョージ〜〜〜!
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山のテン場じゃスペースを取り過ぎて正直迷惑だろうと思いますよ。
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雨には弱いと思う。スリーブの高さの割にフライと幕体の隙間が狭い。ちょっとした風で接して結露した水滴がメッシュを通して落ちてくるでしょうね。フライのシームテープはバッチリだけど、メッシュテントの宿命。
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後ろにもジョージが(笑)
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トンネル型テントの中じゃ格好良くて使い勝手も良いと思いますよ。
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前室は広そうに見えるけど、閉めた状態でのスペースはあまり無い。
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頭側左右下のメッシュポケット。
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頭側上部のメッシュポケット。MSR版はここにジッパーを付けてフライシートの通気孔を触れるように変更されています。
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ボブ・スワンソン(2016年没)がBig Agnesのテント・ライン・マネージャをしていたけど、トンネル型は作らなかったですね。
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コイツの中だけで完結する、車で行くミニマルなキャンプってのをやりましょう。以上縁あって我が家へやってきた極上コンディションのZOID2.0の紹介(自慢とも言う(笑))でした。
ラベル:テント WALRUS
posted by tetk at 09:17| Comment(2) | 道具系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月14日

使う人を選ぶアルコールストーブ FREELIGHT BLAST Burner 開発秘話

FREELIGHTから発売されているBLAST Burnerです。
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アルコールストーブへの先入観、既存概念あるいは常識を打ち破ることができているでしょうか?

積極的な公表を控えてきましたが、師匠のJSBさんの仲介でFREELIGHTの高橋さんと知り合い、少しづつ深みにハマり・・・(笑)その縁があって開発に携わることになりました。軽く1 年以上の月日がかかっています。

プロジェクト・スタート時に”お題”として言い渡された要件をザックリまとめると下記 2 点。
  1. 徹底した燃焼効率の追求
  2. 既存アルコールストーブの概念を覆す
1 の効率に関しては、FREELIGHTのblogエントリー「2016.08.18 FREELIGHT BLAST BURNER(ブラストバーナー)開発のお話」を参照してください。

一方、2 番めの既成概念を覆すという"無理難題"には、なんとも途方に暮れたものです。ではアルコールストーブの既成概念って何だ?というところから始めました。
  • アルコールストーブは静か
    ガソリンストーブみたいに爆音を出すことができれば・・・。
  • アルコールストーブは風に弱い
    ジェット噴出力が弱いため風に炎が棚引いてしまうということが理由の一つ。
    ジェット速度を極限まで上げれば強くなるかも。
     内圧を高める
     ジェット数を減らす
     速過ぎると千切れて消し飛ぶ
  • アルコールストーブの炎は昼間に見えない
    炎に色を付けるか。
    音で確認する手もあるかも。
ここから過去に製作したり経験したことを総動員し、作っては壊しを繰り返す・・・方向性がようやく見えて原案が出き上がったのが2015 年。さらに特性を把握するための試作を繰り返し、バラツキを減らす加工方法のトライアンドエラー、部材の耐久性テスト・・・などなどを経て⻑期テストへ・・・ここでも問題が出て改良と部材メーカーと折衝・・・最終型の耐久テスト・・・長くて結構たいへんだった・・・。
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私のこのblog、youtubeinstagram を見ていただいている皆さんの中には、数年前に公開していた「爆音系アルコールストーブ」を覚えている方がいるかもしれません。あれはBLAST Burner開発初期段階のものだったんです。当時の記事/動画を探してももう見られないです。欠陥が見つかったため非公開にしてしまいましたから。そう言えばあれを真似てblog/youtubeなどで公開したりヤフオクで売っている人もいるみたいですね。でも止めたほうがいいですよ。使ううちに穴が開いて事故の原因になります。

ここでハッキリ明言しておきます。試験機でいろんな計測をして、専用部材を開発できたFREELIGHTだから完成したんです。
  • BLAST Burnerと同じものを自作することは無理です。
  • 市販の接着剤で使用に耐えるものはありません。
  • BLAST Burnerを買って楽しんでくださいませ。
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BLAST Burnerは密閉加圧型のストーブです。動作としては自己熱でアルコール燃料を気化させて、気化ガスを燃料タンクに戻して加圧して、ジェット穴から噴出させる。噴出速度が速すぎて炎が消し飛んでしまうのを、パイプに当てることで防いでいる・・・というものです。
OPTIMUS 123Rのような動作と言えばわかりやすいかもしれません(気化ガスを戻すところはちがう)。123Rも過加圧になるとブローオフバルブから噴出して減圧しますよね。でもBLAST Burnerにそんなバルブは搭載できないので、使う人が注意してやらないといけないんです。
キャニスタ型ガス・ストーブもガス缶が熱くならないように、風防で全周を囲むようなことはしちゃいけないですよね。BLAST Burnerも密閉型の宿命である過加圧や過加熱による暴走や変形を防ぐため、風防で覆うことはできません。

このように、使う人がそれなりに気を使ってやらなきゃならない子なんです。使う人を選ぶ上級向けアルコールストーブ・・・そんなBLAST Burnerを、用法を守ってぜひ使いこなしてください、
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posted by tetk at 08:16|  アルコール沼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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